樋口 愉美子 インタビュー

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樋口 愉美子 インタビュー

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樋口 愉美子は、世界的に有名な日本の刺繍作家であり精巧な針仕事の傑作で知られ、刺繍の伝統とモダンをバランスよく取り入れたユニークな作品を多数発表しています。

あなたにとって刺繍の魅力は何ですか?

以前はハンドメイドのバッグを制作販売していました。刺繍の表現の自由さに惹かれ、今に至ります。刺繍は世界中にあり、歴史も古く、針と糸と布があれば誰でもどこでも始めることができるところが魅力です。

刺繍のデザインを作る際に大切にしていることは何ですか?

写実的な細かい描写よりも、全体の色や雰囲気、構図を重視しています。デザインはワンポイント刺繍ではなく、パターンとして考える方が好きです。

DMCとの出会い、そして糸選びについて教えてください。

私が子どもの頃、母も刺繍をしていたので、家にはDMCの刺繍糸がほぼ全色揃っていました。それ以来、使い続けています。(糸を収納している木箱は)4段重ねの箱で、1段ずつ広げると全色見渡せて便利です。

私はいつも作品のテーマに合わせて色を選びます。冬であれば、“冷たさ”を感じる色を選びます。布地の色も重要です。布地と相性を良くするために明度の調整もします。でも大抵は、実際に刺し始めないとわからないことが多いです。

インスタグラムのフォロワーの多くは、あなたのライフスタイルや美意識が大好きです。日常生活で最も大切にしていることは何ですか?

我が家は夫婦ともに家で仕事をしていますので、なるべく家の中を居心地の良い空間にすることを心掛けています。ですから、生活をできるだけシンプルに。Instagramを始めて、写真を撮ることを意識しながら、でも無理のない“私たちらしい”生活空間を模索しています。

刺繍の写真を撮るときのコツはありますか?

SNSでは皆さん上手に撮られていますよね。私も日々研究中ですが、刺繍は平面的に撮影しがちなので、なるべく陰影をつけるように気を使っています。ややアップに撮ると迫力が出て素敵ですね。

キットを楽しむためのアドバイスがあれば教えてください。

焦らずゆっくりと。製作する過程も楽しんでいただければと思います。

手仕事する作家たち