棒針編みのチャート(編み図)の読み方について

By Kerry Kimber

記事を読み終わるまで 約4分

棒針編みのチャート(編み図)の読み方について

By Kerry Kimber

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棒針編みのチャート(編み図)は編み地の表面から見た様子を示したものです。マス目のひとつひとつが編み目を、そしてマス目の横一列が1段となります。チャートを初めて目にしたときには難しく見えるかもしれませんが、その仕組みを理解すると簡単に使えるようになります。この記事ではチャートの読み方について述べます。

チャートは何のために使うか?

棒針編みのチャートはとりわけカラーワーク(編み込み模様)、レース模様(透かし模様)、ケーブル模様(交差模様)の模様の展開を素早く視覚的に把握し、仕上がりをイメージしやすくなります。特に視覚的に学習し文章より画像の方が分かりやすいと感じる方、また他言語で書かれたパターンを編もうとするときなどに役立ちます。 平編みまたは往復に編むパターンはチャートの右下から編みはじめます。表面は右から左に、裏面は左から右に編み進めます。輪に編むパターンは常に右から左に編み進め、毎段表面を見ながら編みます。

模様のくり返しについて

チャートには全体の模様を部分的に表し、それをくり返し編む回数を指示していることもあります。段の編みはじめはチャートに記載された編み目をひと通り編み切り、続けてチャートのはじめからくり返しながら最後まで編みます。模様をくり返すたびにステッチマーカーを入れておくと段のどの部分を編んでいるのか把握しやすいです。チャートの中で同じ手順をくり返すよう指示がある場合もあります。

進捗を追う

チャートを使って編む大きな利点は、模様のどの部分を編んでいるかを付箋や定規を当てて追えること、そして編み進むに従って動かせると言う点が挙げられます。

カラーワーク(編み込み)のチャート

インターシャ(縦糸渡し)やフェアアイル(横糸渡し)の編み込み模様のように2色以上の色の糸を使って編む模様編みの場合は文章パターンよりもチャートを使った方が断然編みやすいです。 カラーワーク(編み込み模様)のチャートには1目ずつ使用する色を明示しています。また下図のように編み込み部分を輪郭線で示すこともあります。また糸の色が記号や網掛けで示すこともあります。

レース(透かし)編みやケーブル模様(交差模様)のチャート

チャートにはレース模様やケーブル編みのように編み地に質感を出す技法を表す記号もあります。編みはじめる前に凡例に目を通し、それぞれの記号の意味を確認しておきましょう。2目以上を伴う操作の記号には特に注意しましょう。 また段ごとに振られた数字にも注意しておきましょう。ケーブル模様もレース模様では裏面は裏編みなどのシンプルな編み方の場合が多く、交差模様の場合は「模様を維持しながら編む」と書かれていることもあります。またパターンの紙面を節約するために裏面の手順を省略することもあります。これば段の数字から確認できます。つまり段に振られた数字が1、3、5、7・・・の場合は裏面が省略されているため、次に記載されている段を編む前に裏面を編みます。数字が1、2、3、4、5・・・であれば表面も裏面も記載されています。 棒針編みの編み目記号は万国共通ではありませんが、一般的に白マスは表面では表目、中黒(・)や横棒(━)は表面では裏目、裏面では表目で編む、白丸(○)はかけ目を表します。 減目は減目した編み目の傾きによって左右のいずれかに傾く斜線によって表します。

交差模様のチャートには交差部分を表します。交差編みは2目以上で操作するため記号も横方向に2目以上が対象となります。例えば、下図のようにC4F(右上2目交差)は4目で操作します-最初の2目をなわ編み針に移して手前におき、次の2目を表編み、そしてなわ編み針の2目を表編みします。このためチャートでは4目に渡る記号となります。

この記事により、棒針編みのチャートに関する理解が深まり、新たな知識を活用していただけることを願っています。

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